トランスリプション6

Wes’ Tune(Transcribed by GIBSON BOY)

今回のWes演奏のトランスクリプションは、《Montgomeryland/Pacific Jazz PJ-5》からWesオリジナルの〈Wes’ Tune〉をおおくりします。この曲はJazzの演奏様式においてBluesについで多く用いられる、所謂 Rhythm Change(I Got Rhythm)といわれ、Ⅰ-Ⅵ7-Ⅱm7-Ⅴ7や
Ⅰ-Ⅰ7-Ⅵ-(Ⅵm7)のケーデンスを含む様式です。
それでは、テーマ譜とアドリブの採譜譜面を分析していきます。その肝所のフレーズではいつもながらWesのすばらしさに感心しきりです。とても参考になると思います!

【テーマ】
〈Wes’ Tune〉はA,A,B,A形式の32小節で、Key in A♭です。
Wesは通常のRhythm Changeのコード進行にひとひねり加え作曲しています。
その箇所を見ていきましょう。テーマのコード進行において7小節目をBMaj7にしています。
本来ならA♭Maj7で終止させるところ、6小節目の3,4拍目にG♭7をおいてBMaj7で解決しています。何か開放感のあるサウンドを感じます。
アドリブの進行ではここの箇所は、1.カッコ(7,8小節目)はBMaj7|B♭m7ーE♭7|で
2.カッコ(15,16小節目)はA♭Maj7|A♭Maj7|です。(ソロのコードチェンジ参照)次にサビもⅤ7の4度進行ではなく、Ⅴ7の半音下降進行でさらにWes得意のⅤ7をⅡm7-Ⅴ7に分解しています。ここでのテーマメロディは各コードのアルペジオを基にアルペジオとは思わせぬ、とてもリズミックにメロディックにつくられています。

【Ad-libの分析】
その前に所謂Rhythm Change様式のad-libについていくつかの方法論が考えられます。
①Ⅰ-Ⅵ7-Ⅱm7-Ⅴ7|Ⅲm7-Ⅵ7-Ⅱm7-Ⅴ7やⅠ-Ⅰ7-Ⅵ-Ⅵm7のように多くが二拍づつコード進行が変わり(ケーデンスと考えますが)コードチェンジごとに進行感を出してアドリブソロを取る。
②例えば前半の4小節または8小節をA♭のブルーノートスケール一発で、ブルースフレーズでソロを取る。
③例えばトリッキーにユニットフレーズを増4度でメカニカルに動きを取り入れたりもっと自由にソロを取る。
等々考えられます。多くはこれらを組み合わせ、時にはコード進行どうり律儀に(Joe Pass のように)、又ブルージーなフレーズ一本で歌わせたり、トリッキーなフレーズだったり変化をつけてます。

それではWesのad-lib soloの分析
[A]1小節前~3小節目まで
  ソロパート1小節前からアドリブフレーズをひっかけて3小節目までA♭のブルーノートペンタトニックフレーズで弾いています。
[A]9小節~12小節目まで
  ここはⅠ-(Ⅵ7)-Ⅱm7-Ⅴ7|Ⅲm7-(Ⅵ7)-Ⅱm7-Ⅴ7的に大まかなコード進行で乗ったきれいに歌ったフレーズです。
[A]サビ17小節~24小節目まで
  サビは、基本的にはC7から始まるⅤ7の半音下降進行ですが、Wesは得意のⅤ7をⅡm7-Ⅴ7に分けて弾いてます。Wes得意のm7のアルペジオフレーズなどでてきます。
[A]の32小節2拍目のひっかけから~[B]36小節目まで(2コーラス目頭)
  ここもA♭のブルーノートペンタトニックフレーズでチョーキングを交えブルースフィーリングで弾いています。
[B]37小節目~39小節目
  Ⅰ-Ⅰ7-Ⅵ-♭Ⅶ7|のコード進行どうりの模範的フレーズです。
[B]41小節目~48小節目
  ここのフレーズは、個人的にはこのテイクの中では一番好きなフレーズで、丸覚えして使えるフレーズです。なんともよく歌った模範的フレーズです。
[B]の48小節4拍目のひっかけから~52小節目まで([B]のサビの部分)
  ここは一つのユニットフレーズをコール&レスポンスを交えて半音進行で下降していくフレーズ、ここもハッと気を惹くフレーズです。
[B]56小節目3,4拍目~60小節目
  ここのフレーズも最高にイカしてます。チャーリークリスチャンが弾く様な、Be-Bopそのものを感じさせるフレーズです。

GIBSON BOY