A&M3部作テイラーの録音メモ

A&M3部作テイラーの録音メモ

ネットサーフィンで思わぬサイトに出くわした。
dougpayne.com soundinsights

それは音楽サイトでCTIのすべての作品とそのデイスコグラフィが掲載されてあったので開設者のダグ・ペニィに早速コンタクトし、その詳細な記載についてさらに訊いてみた。

ダグはブラジル人のアーノルド・ディソッティーロというCTIの技術者と親友関係にあったことから、直接クリード・テイラーからすべてのレコーディング・メモのコピーを貰ったと言明した。
本来、彼もデイスコグラファということもあって実に詳細に記載してあるが、入手したデータもとが何と言ってもウェスの育ての親(ちなみに生みの親はオリン・キープニュース)といえるクリード・テイラーであるからその信憑性は高いでものであろう。
判明したレコーディング・データは次の通り。

《A DAY IN THE LIFE/A&M SP-3001》について:
●今まで録音月日は1967年6月6日から8日そして26日と全ての曲に対して 区別されていなかったが、それぞれの録音月日がテイラーのメモにより判明。
●6月8日に関してはメモにないことからおそらくオーケストラだけのレコーディングと思われる。
●アルバムには収録されなかったが6月7日に〈Never On Sunday〉のレコーディング・メモも見られる。

《DOWN HERE ON THE GROUND/A&M SP-3006》について:
●もともと録音月日は1967年12月20日、21日そして1968年1月22日、26日に区別されてあったがライナーノーツとはかなり違ったテイラーのメモが見られる。
●アルバムには収録されなかったが1967年12月21日に〈Hearts Beat〉のレコーディング・メモも見られる。
●〈Down Here On The Ground〉は1967年12月21日にデオダード編曲・指揮のメモと1968年1月22日にセベスキー編曲・指揮のメモが見られる。
今まではデオダード編曲・指揮のものだけと思われていたが、アルバムに収録した結果はどちらとも記載がないので、これに関しては現状どおりとする。
●〈The Other Man’s Grass Is Always Greener〉は1968年1月22日と26日の両日にレコーディングされているがどちらのテイクが収録されたかはメモの追記がない。
●〈Goin’On To Detroit〉は1968年1月26日にもレコーディングされたが、アルバムに収録されたのは従来どおり1967年12月20日のメモがある。

《ROAD SONG/A&M SP-3012》について:
●〈Scarborough Fair〉と〈I’ ll Be Back〉については、それぞれとも2回のテイクをつなぎ合わせたテイクが使われたとのメモがある。

《CLASSICS VOLUME 22/A&M CD-2520》について:
●4曲の未発表と1曲の別ヴァージョン(Switchin’/aka : Up And At It) を追加収録したCDについての詳細なレコーディング・メモがある。

時系列ディスコで修正したページ A&M 1967-68

しかしながらクリード・テイラーのメモにも欠落の部分が含まれることから、全て正確に判明したと言うわけではない。
ただ、ダグが最後に付け加えたのは「決してライナー・ノーツのデータを信用してはいけない」と同じデイスコグラファとして私に忠告したが、現実としては一番参考になり得るものだけに慎重に扱わなくてはいけないと思う。
私としては一般的に出回っているデイスコグラフィはそれを編集したり編纂したりしているが何かにつけその根拠となり得るものが判明すれば、わずかな付加記事で観る人の信頼性が得られるというものである。
でも長年デイスコグラファを続けてきて、このようにウェスのデータが修正や追加等を繰り返しコンプリートを目指すというのは一種の何かを制覇した人の気持ちに匹敵するという、すばらしい快感が味わえるのも地味な作業だけにやり甲斐もあるというものです。